こんにちは、コミンです。
みなさん『マスク』足りてますか?
私は皮肉にも、緊急事態宣言により仕事がほぼゼロになったおかげで、「大ピンチ」は迎えずに済んでいます。とはいえ、いつまで続くのかわからないので、大事に大事に使っています。
そんななか、台湾はマスク・パニックを早期収束したというニュースを見ました。
世界中で不足しているというのに、どういうことなのだろう?
不思議に思ったので調べてみました。
- 開店前のドラッグストア
- 台湾:マスク・パニック~4月中旬現在
- 1月:品薄から品切れへ(188万/日)
- 1月31日:政府によるマスクの買い上げ、1人3枚の購入制限
- 2月6日:1週間に1人2枚に制限、購入可能曜日の設定(400万/日)
- 当局HPでの在庫数データ開示とマスクマップの導入
- 3月5日:大人3枚、子供5枚に緩和
- 3月9日:1日当たりマスク生産量が1000万枚に到達
- 3月12日:ネット購入解禁
- 4月1日:人道支援として海外へマスク1,000万枚寄贈を発表
- 4月5日:1日当たりマスク生産量が1,300万枚に到達
- 4月9日:14日間で大人9枚、子供10枚に緩和、購入可能曜日撤廃
- 4月9日:人道支援第2弾として海外へマスク600万枚の追加寄贈を発表
- 4月16日:人道支援の一環として日本へマスク200万枚寄贈を発表
- 調べてみて・・・感想
開店前のドラッグストア
私が働くカフェは商業施設に入っていて、斜め向かいはドラッグストアです。
近くに病院があり、処方箋受付もしているので多くのお客様が利用されているのを見ていました。トイレットペーパーが全国的に不足したときは、店員さんを見ていて気の毒に思うような場面もみました。マスク、消毒用アルコール、除菌シートなどの棚は今も空っぽのままです。
2月の中旬あたりだったでしょうか。朝6時半過ぎ、出勤のためにドラッグストアの前通ると、ぴったりと降りたシャッターの前に女性が一人立っていました。
この辺りの店舗のなかでは、カフェだけが8時オープンなので人がいることはめったにありません。しかもその女性は立ったまま文庫本を読んでいます。待ち合わせをするような場所でもないし、数メートル行けばベンチがあるのになと思いながら通り過ぎました。次の日もその次の日も、女性は立っていました。
それから2日間カフェの出勤がなく3日後の朝に出勤すると、シャッターの前に立つ人は3人に増えていました。知り合いでもないようで、それぞれにスマホを見たりして立っています。
その日8時にカフェを開けたとき、ドラッグストアの前を見ると5人に増えていました。そのうちの一人は持参した折りたたみ椅子に座っていました。
「ああ。マスクを買いに来たんだな」
と私は思いました。5人のなかに、最初に見かけた女性の姿を見つけて、正直なところゾッとしてしまいました。
カフェスタッフも会社から勤務中はマスクをするようにと言われていましたし、だからといって会社が用意してくれるわけでもなかったので、マスクが足りなくて困る気持ちはよくわかります。もしかしたら花粉症とか、アレルギーとかの理由があって絶対にマスクがないと困る人なのかもしれません。せめてそうであってほしいと思いました。
それから少しして、ドラッグストアのシャッターに貼り紙がされるようになりました。
『本日、朝のマスクの入荷はありません。新型コロナウィルスによる急激な需要の増加にともない入荷の目途もたっておりません。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、店頭にはお並びいただかないようお願い致します』
完全一致ではないかもしれませんが、このような文章だったと思います。
それでも、シャッターの前にはいつも人がいました。
並ばずに、点々と、そこに立っていました。
台湾:マスク・パニック~4月中旬現在
1月:品薄から品切れへ(188万/日)
台湾では、中国で新型コロナウィルス発生の情報が入るとすぐに、マスクは品薄になり、年明けには店頭からはごっそり消えていたそうです。
そして1月末には、どこへ行ってもマスクが買えない、高額転売が横行するなど、いわゆるマスク・パニックに陥りました。 ※( )1日当たりのマスク生産量
1月31日:政府によるマスクの買い上げ、1人3枚の購入制限
当時、台湾のマスク生産可能数は1日当たり244万枚程度、台湾の人口は2,378万人。
このまま放置していればパニックはもっとひどくなることが確実であることから、台湾政府は一般医療用と外科手術用のマスクを刑法が定める生活費需品に指定し、政府が買い上げることを決定。海外へのマスク輸出を原則禁止するとともに、国民に向けては、1人3枚までという購入制限を設けました。
このときは政府はコンビニなどを通して販売しましたが、何度も並びなおして購入する人が出てきて、国民は不満を募らせます。
2月6日:1週間に1人2枚に制限、購入可能曜日の設定(400万/日)
2月3日夜に台湾政府は緊急記者会見を開きます。
それまでのコンビニを経由した1人3枚の販売を取りやめ、より細かな購入ルールを設けた新制度での販売を開始すると発表しました。
- 購入枚数は、7日間で1人2枚。(一度購入したら7日間は購入できない)
- 個人番号による購入可能曜日を設定。月・水・金は末尾が奇数の人、火・木・土は偶数の人、日曜日は全番号。
- 販売場所は、健康保険特約薬局に限定。購入時には健康保険カードの提示が必要となりました。家族分等を代理購入する場合、預かったカードで購入できるのは1枚。
これにより詐称による買い占めなどは防ぐことができましたが、地域によって人口に対しての薬局数にばらつきがあり、数店舗回っても購入できない可能性が心配されました。
当局HPでの在庫数データ開示とマスクマップの導入
2月6日にマスクの実名購入の開始と同時に、台湾初のデジタル大臣となった唐鳳氏や衛生福利部(厚生労働省に相当)はHP上に、マスクを販売している薬局の場所や在庫数などのデータを公開。そして、民間が開発したマスクマップアプリの構築と提供を始めました。大臣自らSNSでアプリの利用を呼びかけたそうです。
マスクマップを開くと、その場所から近い特約薬局が表示され、さらに在庫量もひと目でわかるように色分けされています。販売場所と在庫量が「見える」ようになったことで、人々の心理的負担は軽減されました。
3月5日:大人3枚、子供5枚に緩和
実名での購入をはじめて1ヵ月ほどが経過したところで、マスクの購入制限が若干緩和され、7日間で大人は3枚まで、子供は5枚まで購入できるようになりました。
3月9日:1日当たりマスク生産量が1000万枚に到達
マスク・パニック発生以来努めてきた、国内のマスク生産ラインの増加が実を結び、1日当たり1千万枚を生産できるようになりました。
台湾の人口は2,378万人ですから3日を待たずして全人口数を生産できるようになったということです。
3月12日:ネット購入解禁
ネットや専用アプリで購入手続きをすれば、コンビニでの受け取りが可能になりました。枚数制限に変わりはないが、薬局店頭限定でなくなったことで、働く人たちも購入しやすくなりました。
4月1日:人道支援として海外へマスク1,000万枚寄贈を発表
増産により国内必要数を確保できているという判断のもと、
米国に200万枚、イタリアやスペイン、フランスなど欧州11カ国に700万枚、外交関係のある友好国に100万枚をそれぞれ無償で提供。米国にはすでに毎週10万枚を供与しているが、感染者が激増していることから、これとは別に提供することを発表しました。
4月5日:1日当たりマスク生産量が1,300万枚に到達
4月9日:14日間で大人9枚、子供10枚に緩和、購入可能曜日撤廃
台湾政府は3月30日の会見で、購入制限の緩和を発表し、4月9日から開始されました。
これまでの7日間ごとのから14日間ごとに期間を伸び、枚数も増加、また購入可能曜日も撤廃されたので、人々は購入に行く回数が減り負担が軽くなりました。
また「2親等以内の家族へ2ヵ月ごと30枚まで」という制限付きではありますが、マスクの海外発送も可能となりました。
4月9日:人道支援第2弾として海外へマスク600万枚の追加寄贈を発表
1日に第1弾を発表してからわずか8日後、第2弾として、
欧州(EU)加盟国や米国内で状況が比較的深刻な州、ラテンアメリカ、カリブ海地域の各国、新南向政策の対象国などへ提供すると寄贈することを発表しました。
また、第1弾の1,000万枚のうち800万枚については、すでに発送が完了していることも併せて報告されました。
4月16日:人道支援の一環として日本へマスク200万枚寄贈を発表
日本側の対台湾窓口機構である日本台湾交流協会が、台湾から200万枚のマスク寄贈を受けると発表がありました。
調べてみて・・・感想
こうしてあらためて時系列でまとめてみると、台湾政府のスピード感に目の覚める思いがしました。
私たち日本人は、自国の首相をはじめ国会議員や知事の口から「スピード感をもって取り組む」という言葉を何度聞いたでしょうか。
そしてそう言った人たちの行動からスピード感を感じたことが何度あったでしょうか。
しかも台湾政府がおこなってきたことは、日本では到底マネできないような難しいことでしょうか。日本政府の統率力、牽引力はそんなにも落ちてしまっているということでしょうか。そんなことはないはずだ、と思いたいです。
それと同時に、私たち国民も、日本が民主主義国だということはちょっと忘れかけていたような気がしました。もちろん民主主義国だと知ってはいます。知ってはいるけれど、それにしてはちょっと無関心が過ぎたところがあるんじゃないかと思いました。
台湾では、2018年の地方選挙でそれまでに各種政策を強行したとして、人々が民進党に反感を持ったことで国民党が圧勝、国民党の高雄市市長はスター政治家にまでなったということがあり、民進党はこれを教訓に今回の防疫においては、敏感に民意に反応したという見方があるそうです。
それでは日本はどうでしょうか。
私は自信をもって答えることができないなと思いました。
国民が関心を持つということが、代表者である政治家たちの動機につながるような気がしました。
コロナウィルスという天災を、わたしたち自身が人災としないように行動していきたいですね。
(ウィルスは自然現象ではないかもしれませんが、自然的に発生したと考えています)
まだ、もやっとしたものが残っていますが・・・
それでは、また!!