マスク騒動記<そのとき韓国は>そして日本は
こんにちは、コミンです。
今や世界問題となっているマスク不足。そのなかで台湾は、制限をかけながらも不便を解消すべく次々と政策を打ち出し・実行、国内のマスク不足については一定の目途がだったとして、世界へ寄贈をはじめています。
今回は日本にとってはお隣、韓国のマスク事情について調べてみました。
- 1月30日:マスクの生産量は1日当たり659万枚程度
- 2月5日:保健用マスクの買い占め・売り惜しみに罰則規定
- 2月12日:緊急需給調整を開始
- 2月20日:感染者急増、マスク大乱
- 2月26日:保健用マスクの輸出制限
- 3月1日:マスク生産量が1日当たり1,000万枚へ
- 3月9日:購入制限措置として「マスク5部制」開始 7日間で1人2枚
- 3月下旬:人々から「マスク在庫十分」の声も
- そして、日本は・・
韓国:
1月30日:マスクの生産量は1日当たり659万枚程度
韓国では1月中旬に1人目の新型ウィルス感染者が見つかりましたが、その後は横ばい状態が続いていました。2月11日に感染者数が28人に達してから後5日間は「新規感染者0」となり、韓国政府内では終息宣言の検討までされていたそうです。
2月5日:保健用マスクの買い占め・売り惜しみに罰則規定
マスクの買い占め・売り惜しみによる価格の高騰を防ぐため、保健用マスクの生産者・販売者を対象に、買い占め・売り惜しみ行為に対して、2年以下の懲役または5,000万₩(約460万円)の罰則規定を設けました。
2月12日:緊急需給調整を開始
マスク生産者は、生産量・出荷量・輸出量を毎日申告することが義務付けられ、また販売者も大量販売する場合には届け出が必要となりました。
韓国政府は、業者による買い占めや密輸をなくすことが目的と発表しています。
2月20日:感染者急増、マスク大乱
大邱で集団感染が発生し、新規感染者数が倍増。マスク需要も一気に高まりました。
生産ラインを増加しているとしながら、韓国内で生産されているマスクの90%が公式・非公式ルートで中国に流れていることが発覚し、国民の不満は爆発寸前に至り「マスク大乱」が起こりました。
2月26日:保健用マスクの輸出制限
マスク生産者へ向けて、海外輸出は1日当たり生産量の10%以内に制限し、50%以上を政府指定の公的販売先に出荷することを義務付けました。
3月1日:マスク生産量が1日当たり1,000万枚へ
マスクを生産する企業がそれまでの123か所から140か所まで増加。1日当たりの生産量も約1,000万枚まで見込めるようになりました。
韓国の人口約5,100万人ですから、約5分の1の生産量となったわけです。
3月9日:購入制限措置として「マスク5部制」開始 7日間で1人2枚
韓国政府は購入制限措置として、マスク5部制をスタートしました。購入可能枚数は7日間で1人2枚です。
病院や療養施設患者については施設関係者が、高校生以下の子供については保護者が代理で購入することができます。
マスク5部制では、生まれ年の末尾数字ごとに購入できる曜日が設定されている。
月:1・6、火:2・7、水:3・8、木:4・9、金:5・0、土日:全員
購入時に住民記録番号の提示が求められます。外国人は健康保険証と外国人登録証で購入が可能。
購入履歴はオンラインで管理され、一度購入したら7日間は購入することができません。韓国政府はこの実施にあたり「マスク重複購買確認システム」を導入しました。
同時に、マスクの供給状況を毎日公開し、民間が開発したアプリや政府HPで、周辺薬局などの在庫を確認することができます。
さらに、マスクや消毒剤の転売申告サイトを開設。個人や業者が暴利を狙って買い占めた場合、2年以上の懲役と5,000万₩以下の罰金を同時に適用できるように法整備をしました。
3月下旬:人々から「マスク在庫十分」の声も
マスク5部制3週目になると、午後8時を過ぎても周辺店舗のマスク在庫が100枚以上、並ばなくても買えるようになった、といった声がみられるようになりました。
枚数制限の引き上げ等はまだありませんが、マスク大乱といわれた混乱は解消されつつあるようです。
そして、日本は・・
2月中旬ごろから、薬局、ドラッグストア、スーパーの店頭からマスクの姿はなくなり、入荷未定の札だけがむなしく貼られたままの状態が続いています。
早朝から店頭に行列ができたり、入荷の情報が入るやいなや人々は店舗に殺到し、商品は棚に並ぶことなく箱から消えていく事態も起きています。
さらに抱合せ商法やネットでの高額転売が横行、60枚入りが10万円で売買されるケースもありました。
2月29日:安倍首相、3月中に月6億枚以上の供給確保を表明
2月29日の緊急記者会見で、安倍首相は3月中には月6億枚以上の供給を確保すると明言。新規にマスク生産設備を増設する企業への補助金制度も検討しているとの発言がありました。
しかし、マスク不足は一向に解消されていません。
3月14日:ネットオークションへの出品取りやめ要請
日本政府は、大手ネット売買サイトへに対してオークション等への出品取りやめを要請。また大量ロットでの販売についても取りやめを要請しました。
3月15日:マスク転売が罰則付きで禁止
購入価格より高価でのマスク転売を禁止し、これに違反した場合には、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が課せる規制が開始されました。
それでも、マスク不足は変わりません。
3月27日:4月には月当たり7億枚の生産の見通し
菅義偉官房長官は27日の記者会見で、「3月は6億枚を超えるマスクを供給することになった。4月には1億を上積みできる見通しだ」と述べました。
しかし、ここでよく考えてみると月に6億枚ということは、1日当たり2,000万枚(1ヵ月を30日とした)。韓国や台湾よりだいぶ多いと感じるかもしれませんが、日本の人口は約1億2,600万人ですから、6分の1弱です。
月当たりが7億枚になっても約2,300万枚で、韓国が5部制に踏み切ったときの人口5分の1枚数の生産量確保にいたっていないことになります。
3月末:国内メーカーマスク生産ライン増設を発表、異業種からも新規参入
マスク大手のユニ、興和、アイリスオーヤマなどは生産ラインの増設、フル稼働生産を表明し、シャープなどの異業種からも新規参入の声があがりました。
これは政府の補助金制度の効果といえるかもしれません。
しかしそれでもまだ、マスク不足は深刻です。
4月1日:1世帯あたりマスク2枚配布を表明
安倍首相は、緊急対策の一環として1世帯あたりマスク2枚を配布することを表明しました。通称アベノマスクと呼ばれているこの政策には、日本国民はもとより海外からも批判と疑問の声が相次いでいます。
鳩山由紀夫元首相や、作家の百田百樹さんはツイッターで「エイプリルフール」と揶揄していましたが、そうではない現実が悲しいです。
4月15日:「売れ残れば買い上げ」を表明
安倍首相は、不足が続くマスクなどについて、製造企業へ増産を求めたうえで
「万が一、売れ残るようなら国が備蓄用として買い上げる」と表明しました。
私はここに違和感を感じました。余ったら、じゃなくて先に買い上げるというのはないのでしょうか。国が買い上げるより市場に卸したほうが、製造業者の利益になるからということなのか、このあたりは私にはわかりませんが・・・。
同時に、増産ばかりに力を注いでいますが、一方で需要側の制限についても考えるべきです。できるだけ国民の負担にはならないようにという配慮なのかもしれませんが、そう思うなら余計に、見える化が必要ではないでしょうか。
まとめ買いに走ってしまう、マスクを見つけたらとりあえず買っておかないと、という心理は、状況や先行きがわからない限り止めるのは難しいと思います。
生産枚数については、目標数ではなく現在の生産可能枚数を、それに対して供給数は足りているのかいないのか、そういったことを具体的に数字で公開することが必要だと思います。
COVOD-19はまだまだ世界中で猛威をふるっています。
昨年、中国で発生したと聞いたときには、まさかこんなことになろうとは、
まったく想像すらしていませんでした。
新型インフルのときみたいな感じでしょ?気をつけていれば大丈夫でしょ、と高をくくっていました。
どうか一日も早く事態が終息しますように。
そのために私がいまできることを、見逃さず、賢く選択していけますように。
& Be HAPPY ♡
それでは、また!!